初七日法要とは？流れ・準備・服装マナーを解説

「初七日（しょなのか）法要」は、亡くなってから最初の節目となる追善供養です。近年は葬儀当日に「繰り上げ初七日」として執り行うケースも増えています。本記事では、初七日の意味や一般的な流れ、喪主・参列者の準備、金額相場、服装マナーまでをわかりやすく整理しました。地域や宗派の違いにも触れつつ、迷いやすいポイントを具体的に解説します。

初七日法要とは（意味・時期）

初七日は、命日を含めて7日目にあたる忌日法要です。仏教では七日ごとに故人の善行を積むとされ、遺族・縁者が読経や焼香を通じて追善供養を行います。四十九日までの7回の節目のうち、最初の大切な区切りがこの初七日です。

実施日は「命日を1日目として7日目」が原則ですが、参列者の都合や会場確保の観点から、前後の土日に調整することもあります。最近は葬儀・告別式と同日にまとめて行う「繰り上げ初七日」が一般化しており、遠方の親族負担の軽減やスケジュール調整の容易さが理由に挙げられます。

いつ行う？数え方の基本

数え方は「命日を1日目」とし、7日目が初七日です（例：8月1日逝去→8月7日が初七日）。やむを得ず日程変更する場合は、菩提寺（依頼寺院）に相談し、読経・会場・納骨の予定を調整します。

「繰り上げ初七日」とは

葬儀・告別式の直後または後半で初七日法要を合わせて行う形式です。参列者が同じ場で焼香・読経に臨めるため、移動の負担を軽減できます。お布施の包み方や式次第は、葬儀社・寺院の案内に従いましょう。

初七日法要の基本の流れ

会場は自宅・寺院本堂・斎場の控室などが一般的です。喪主挨拶の後、僧侶の読経・焼香・法話を経て、納骨や会食（精進落とし）に続くことがあります。同日実施の場合は、告別式の式次第に初七日パートが組み込まれます。

所要時間は30〜60分程度が目安ですが、参列者数、法話の有無、納骨や会食の有無で変動します。進行をスムーズにするため、受付・焼香順・席次・返礼品の手配を事前に整えておきましょう。

順番	内容	詳細
1	僧侶の到着・挨拶	僧侶を控室または祭壇前に案内し、喪主や遺族が挨拶する
2	読経	僧侶による読経が始まり、参列者は合掌して故人を偲ぶ
3	焼香	喪主から順に、遺族・参列者が焼香を行う
4	法話	僧侶から故人への想いや教えに基づいた法話がある
5	回向（えこう）	故人の冥福を祈り、功徳を回向する
6	僧侶への挨拶・お布施渡し	法要終了後、喪主が代表して僧侶へお布施を渡し、感謝を伝える
7	会食（お斎）	地域や家族の意向によっては、法要後に精進料理などの会食を行う

開式〜読経・焼香の進め方

僧侶入場・一礼→読経→焼香→法話→回向（えこう）という順が一般的です。焼香は喪主・親族→参列者の順に行い、合掌や礼の所作は落ち着いて丁寧に。焼香回数は宗派・寺院の指示に従います。

納骨・会食（精進落とし）の有無

初七日に納骨を合わせる地域もあります。霊園の手続き・埋葬許可証の準備・天候対応などを事前に確認しましょう。会食の有無は家族の意向・予算・会場の都合で決め、アレルギーやアレルギー表示にも配慮します。

喪主・遺族の準備チェックリスト

初七日は「短時間でも準備項目が多い」点が実務上のポイントです。僧侶の予定確認、会場・席次・返礼品・お布施の準備など、抜け漏れ防止のチェックリスト化がおすすめです。

とくに繰り上げ初七日の場合は、葬儀本体と一体運用になるため、葬儀社との分担整理が重要。受付担当・焼香順・会食人数・お車代や御膳料の袋準備を前日までに確定しましょう。

準備物の例（チェックリスト）

• 位牌・遺影写真・供花・供物・線香・ロウソク・数珠
• 僧侶依頼（日時・会場・読経・法話）
• お布施・御車代・御膳料（それぞれ封筒準備・表書き）
• 会場手配（会食の有無・返礼品の数）
• 席次表・挨拶文・喪主の言葉

初七日法要のお布施について

初七日法要のお布施は、故人が亡くなってから最初の七日目に営まれる法要で僧侶へ渡す謝礼を指します。お布施の金額は地域や宗派、また檀家であるかどうかによって異なりますが、一般的には 3万円〜5万円程度 が目安とされています。最近では葬儀当日に初七日法要を合わせて行う「繰り上げ初七日」が多く、その場合もお布施を準備するのが基本です。

また、お布施は金額だけでなく渡し方にもマナーがあります。白い封筒か奉書紙に包み、表書きは「御布施」と記すのが一般的です。水引は不要ですが、地域によっては黒白や双銀の結び切りを使う場合もあります。僧侶へは袱紗に包んで丁寧に手渡すのが礼儀で、法要を円滑に行うための感謝の気持ちを込めることが大切です。

お布施の相場・比較表

宗派	初七日のみ	葬儀とあわせて執り行った場合	戒名を含む場合
浄土真宗	3万〜5万円	約20万円	約50万円
浄土宗	3万〜5万円	30万〜50万円程度	約50万円
日蓮宗	3万〜5万円	約30万円	約50万円
真言宗	3万〜5万円	30万円以上	約50万円

宗派ごとに初七日や葬儀時に渡すお布施の相場には違いがあります。いずれの宗派でも、初七日のみは3万〜5万円程度が目安ですが、葬儀と合わせて執り行う場合や戒名を含む場合は大きく金額が変わります。浄土真宗は葬儀と合わせて20万円程度とやや抑えめですが、浄土宗や日蓮宗、真言宗は30万円以上になる傾向があります。戒名を含めると、どの宗派でも50万円前後を想定しておくと安心です。

お布施の書き方

お布施は、故人の供養をお願いした僧侶に対して感謝の気持ちを表すものです。封筒の表書きは、宗派を問わず 「御布施」 と書くのが一般的で、薄墨ではなく通常の黒墨を用います。水引は不要ですが、地域によっては黒白や双銀の結び切りの不祝儀袋を使用する場合もありますので、菩提寺の慣習に従うと安心です。

項目	基本ルール	補足・注意点
表書き	「御布施」と記入	宗派を問わず共通。墨は黒墨を使用
封筒の種類	白封筒または奉書紙	水引は不要。ただし地域によっては黒白・双銀の結び切りを使う場合あり
中袋の有無	中袋がある場合は表に金額、裏に住所・氏名	中袋がない場合はお札を直接入れても可
お札の入れ方	肖像画を上向き・表向きにそろえる	逆さまやバラバラは避ける
袱紗（ふくさ）	紫・紺・グレーなど落ち着いた色を使用	赤や慶事用の派手な色は避ける
渡し方	法要終了後に喪主から僧侶へ丁寧に手渡し	「本日はどうもありがとうございました」と感謝の言葉を添える

中袋がある場合は、表に金額、裏に住所と氏名を記入します。中袋がない場合は、お札をそのまま入れて問題ありませんが、肖像画が裏向き・下向きにならないようにそろえて入れるのがマナーです。最後に、袱紗に包んで持参し、法要終了後に僧侶へ丁寧に手渡すと良いでしょう。

お布施と香典袋の違い

項目	お布施	香典袋
用途	僧侶への読経や供養への謝礼	故人や遺族への弔意・供養の気持ち
表書き	「御布施」	「御霊前」「御香典」「御仏前」など宗派・タイミングにより異なる
封筒の種類	白封筒または奉書紙（基本は水引なし）	不祝儀袋（水引あり：黒白・双銀など）
水引	原則不要（地域によって黒白や双銀を用いる場合あり）	必要（結び切りが一般的）
中袋の記入	金額・住所・氏名を記入（ない場合は直接入れる）	同様に金額・住所・氏名を記入
袱紗	紫・紺・グレーなどの落ち着いた色	同じく紫・紺・グレーを使用（慶事用は避ける）
渡す相手	僧侶	遺族（喪主など）

お布施を渡すときのマナー

お布施を渡す際は、まずタイミングに気を配ることが大切です。基本的には法要がすべて終わった後に、喪主や施主が代表して僧侶へ渡します。渡す際には袱紗から取り出し、両手で丁寧に差し出しながら「本日はどうもありがとうございました」と感謝の言葉を添えるのが礼儀です。直接机の上に置かず、切手盆や小盆を用いるとより丁寧で、用意がない場合は袱紗の上に置いて渡しても差し支えありません。

渡すときの姿勢も大切で、正座または立った状態で深く一礼し、僧侶の目を見て渡すように心がけましょう。服装は喪服や落ち着いた礼服を着用し、法要の場にふさわしい装いを整えて臨むことが望ましいとされています。

参列者が知っておきたい服装・マナー

参列者は「葬儀に準じた服装」が基本です。喪主・遺族は正喪服、参列者は準喪服が一般的。子供は制服や落ち着いた色合いの服を選びましょう。アクセサリーは控えめに、パール以外は避けるのがマナーです。

香典は「御仏前」「御霊前」と表書きを分ける点に注意。仏式の四十九日までは「御霊前」が多く、浄土真宗では「御仏前」を用います。金額は故人との関係性や地域相場によって判断します。

服装・持ち物のポイント

• 男性：黒の礼服・白シャツ・黒ネクタイ・黒靴下・黒靴
• 女性：黒ワンピースまたはスーツ・黒ストッキング・黒パンプス
• 数珠は宗派が違っても持参可能
• 香典袋・袱紗（ふくさ）・ハンカチを持参

まとめ

初七日法要は、故人を偲び最初の区切りを迎える大切な行事です。近年は繰り上げ形式が増えているものの、本来の意味や流れを理解することで、喪主・参列者ともに心を込めて臨むことができます。準備や服装マナーを押さえておくことで、当日慌てることなく、穏やかな時間を過ごせるでしょう。

よくある質問（FAQ）

初七日（しょなのか）法要の時期・作法・服装・香典表書き・お布施の目安など、問い合わせの多いポイントをQ&Aで整理しました。地域や宗派の慣習があるため、最終判断は菩提寺・葬儀社の指示を優先してください。